長年にわたって行われてきた大量生産、大量消費の結果、現在、私たちはさまざまな環境問題に直面しています。
廃棄物の増加による埋立処分場の不足や、ダイオキシンなど有害物質が心配される焼却施設、埋立処分場の建設反対にみられる生活の身近に起こる諸問題など、限りある資源・エネルギーの消費や、自然生態系の破壊、さらに、地球温暖化、酸性雨などといった問題もあります。即ち、環境問題は、地域から世界規模に、また、人類の将来、地球の存続に係る大きな諸問題を含んでいます。
我が国の資源投入と生産、リサイクル及び廃棄の現状をみると、国全体の経済活動を主要項目別(資源投入・生産・消費・蓄積・廃棄・リサイクル・最終処分)に、マクロ的にみると、年間投入総資源量20.7億トンのうち、輸入が30%と主要な資源の多くを輸入に依存しており、リサイクル物質はわずかに10%弱にすぎません。また、13億トンの生産物のために、4.1億トン強のエネルギーを消費し、5.8億トンの廃棄物を排出しています。廃棄物の最終処分は約0.5億トンです。このように、環境問題は、資源の投入からリサイクルまでの循環の中で考えていかなければならないことは当然ですが、制約ある資源と環境の下で、地域的な環境問題としてとらえるだけでなく、地球全体の問題として考えながら対応していくことが肝要です。そうした対応を地道に続けていきながら、地球規模での持続的な成長を求めていくことが、環境問題のポイントといえます。
環境問題は私たちに突き付けられた 21世紀の世界的課題です。